毎年お正月に行われている箱根駅伝、多くの方が一度はテレビで見たことがあるかと思いますが、ここで選手たちが走っている様子を少し思い出してみてください。
選手たちが走っている横や後ろで並走している車を見たことはありませんか?
そして、その車からチーム監督が選手に檄を飛ばすシーンというのも、箱根駅伝の見所の一つと言われています。
そんな監督車(運営管理車)ですが、実は細かいルールがあって、監督さんが選手に伝えてはいけないことや、制限時間もあったりするんですよ。
そこでここでは、箱根駅伝の監督車(運営管理車)はいつから採用されていたのか?
今はどんな車が使われているのか?
ということや、チーム監督の他にはどのような人が乗っているの?選手に伝えて良いこと・いけないことは?など、私自身が気になったことを調べてみましたのでお伝えしたいと思います。
箱根駅伝の監督車(運営管理車)はいつから?運営車両についても
それではまず、箱根駅伝の監督車(運営管理車)について見ていきたいと思います。
箱根駅伝の監督車(運営管理車)はいつから?
元々は、伴走車という名前で各チーム1台配置されていました。
しかも伴走車が配置された1973年当時の車はジープだったということですから、現代とはだいぶ雰囲気も違っていたのでしょうね。
そして、第64回大会(1988年)から箱根駅伝が日本テレビで全国放送されるようになったことがきっかけで、より世間から箱根駅伝が注目されるようになったのですが、箱根駅伝の人気が高まる一方で、箱根駅伝のコース上の交通渋滞が増えたり、交通上のトラブルも増えてきました。
こういった状況を踏まえ、大会関係車両を減らす目的で1990年に伴走車が廃止。
ところが、伴走車が廃止されて以降、レースの途中で棄権をする選手が増えてきたことが課題となり、選手の安全と走路の管理、そして沿道に集まる観客を整理するといったことを目的として、第79回大会(2003年)から新たに「運営管理車」という車両が配置されることになりました。
ということで、ここで一度監督車(運営管理車)の歴史についてまとめてみますと、
・伴走車として初めて箱根駅伝に監督車(運営管理車)が登場したのは1973年
・1990年から一時的に廃止になる
・2003年から再び監督車(運営管理車)が配置されるようになった
ということになります。
箱根駅伝の監督車(運営管理車)にはどんな車が使われている?
一度は廃止になった監督車(運営管理車)ですが、これまでどのような車両が使われてきたのでしょうか?
簡単に振り返ってみたいと思います。
・1973年から陸上自衛隊によるジープの提供
・1990年代は三菱自動車が提供
・2004年~2010年まではホンダ自動車が提供
(2003年から一部の車両でトヨタ自動車が提供)
・2011年以降すべての車両をトヨタ自動車が提供
改めて見てみると、さすが箱根駅伝、大手自動車メーカーの名前が勢揃いといった印象です。
日本テレビで全国放送されるということもあって、自動車メーカーとしても自社の車をアピールしたいという思いもあるのかもしれませんね。
箱根駅伝の監督車の声かけにはルールがある?
それでは次に、監督車(運営管理車)にまるわるルールについて、実際に乗車したことがある方の話を参考に見ていきたいと思います。
監督車(運営管理車)には誰が乗車しているの?
監督車(運営管理車)には誰が乗車しているのでしょうか?
・競技運営委員
・走路管理員
・監督
・アシスタント(チームスタッフ)
・ドライバー
以上、5名が監督車(運営管理車)に乗車しています。
声かけができるポイントは?
声かけは、どこでも自由にというわけではないようなんですよ。
1km、3km、5km、10km、15km、残り3km、残り1km地点
上記地点で声かけができます。
車両の並び方やローテーションについて
スタート時は前年度の順位にならって車両が配置され、その後は選手が走る順位に応じて係員の指示に従い、車両が配置されます。
なお、並走しているときや選手が連なっているときなどは、声かけが終わったら後ろの車両と順次入れ替わって声かけをする、といったローテーションが行われます。
声かけができる時間は決まっている?
声かけができる時間は、なんとたったの1分間。
そして、さきほどもお伝えしたように、声かけのポイントが決められていますので、緊急時を除き、声かけができるポイント以外での声かけは禁止されています。
また、監督が選手に具体的な指示を出すこともできないため、選手の体調を気遣う言葉をかけり、タイムの確認をしたり、選手を鼓舞したり、まさに檄を飛ばすといった声かけが行われているんですね。
参考 走姿顕心 vol.43 箱根駅伝2020MLTsports
箱根駅伝の運営管理車 トイレはどうしてる?
それでは最後に、箱根駅伝の監督車(運営管理車)におけるトイレ事情について見ていきたいと思います。
というのも、箱根駅伝は往路・復路それぞれ片道5時間を超える戦いなんですね。
その間、ずっと選手を見守り、声かけをしなければなりません。
そこで、5時間以上トイレに行けないの?行ってはいけないの?ということについて調べてみましたので、ご紹介していきたいと思います。
さすがに5時間以上もトイレに行ってはいけないというルールはなく、コンビニ等のトイレが使用できるよう、いくつかのトイレスポットが用意されているようです。
実際に監督車(運営管理車)に乗車したことがあるアスリートタレントのM高史さんの証言によりますと、「同乗していたスタッフさんがトイレに行きたいということでコンビニに行った」と語っています。
ですので、トイレに行くことはルール違反ではないのですが、ここで問題なのが、およそ3分トイレ休憩を取っただけでも、選手に追いつくのが大変だというデメリットがあること。
そのため、できるだけトイレに行かなくて済むよう、当日の朝から水分を摂らないようにして、その代わりにのど飴をたくさん用意するなどの工夫をされたそうですよ。
檄を飛ばせば喉が乾いてしまう、でも必要以上に水分は摂れない、、、
監督車(運営管理車)に乗車している監督さんやスタッフさんも大変そうです。
参考 「OBでも給水できる」「運営管理車から声援」箱根駅伝の裏側事情を芸人3人が語るRuntrip
箱根駅伝の監督車(運営管理車)まとめ
箱根駅伝の監督車(運営管理車)について、これまで使われてきた車のメーカーや声かけができる時間のルールなどをご紹介してきました。
テレビでは監督さんが何かマイクで言っているな、という程度でしか聞き取れなかったりしますが、改めて調べてみたことで、監督さんの檄の大切さや監督車(運営管理車)の裏事情なども知ることができました。
また、監督車(運営管理車)の他にも、緊急対応車や大会本部車などではトヨタ自動車の新型車両が使われることもあるようですので、車好きの方もぜひチェックしてみると面白いかもしれませんね。