2023年10月14日(土)に開催された箱根駅伝の予選会。
今回は、第100回目の記念大会に出場する大学を決める予選会ということで、例年以上の注目度と盛り上がりがありました。
第100回箱根駅伝予選会開催に先駆けて、2022年6月30日に発表された関東学生陸上競技連盟の最高決議機関である代表委員総会の内容に、驚いた方や喜んだ方も多かったかもしれません。
それだけでなく、2023年6月28日には更なる発表が追加されました。
第100回箱根駅伝予選会は、通常の予選会とは何が違ったのでしょうか?
現在、公式サイトから得られた情報についてお伝えしていきたいと思います。
箱根駅伝2024(第100回)予選会の選考方法とは?
箱根駅伝の初開催から、100回目を迎える2024年の箱根駅伝。
100回目を記念して普段とは違う内容になるとは思っていたのですけれど、第100回箱根駅伝の予選会の選考方法に関して203年6月28日に重要な発表がありました。
第 100 回東京箱根間往復大学駅伝競走
出場枠数増枠について100 回大会では、シード権を獲得している 10 校に、予選会を通過した
13 校を加えた 23 校が出場することとなります。なお、昨年 6 月にリリースした通り連合チームは編成いたしません。
予選会では、上位 10 名の合計タイムにより 13 校を選考します。
なお、この増枠は 100 回記念大会に限るものであり、101 回大会は通常通りの出場枠数で行います。
ここで箱根駅伝の予選会のルールを振り返ってみましょう。
箱根駅伝に出場できるのは、前年の箱根駅伝でシード権を獲得した10校と予選会を通過した10校、そして予選会の11位以下の大学から選ばれた優秀な選手で構成される関東学生連合チームの21チーム。
箱根駅伝の予選会は毎年10月に行われています。
ハーフマラソンのコースを1校1チーム10人~12人以下で走り、上位10人の合計タイムの一番小さいチームから上位10校を選出。
10位以内になったチームが翌年の箱根駅伝の出場権を獲得。
これが通常通りの出場枠でした。
それが第100回大会の予選会においては、「上位 10 名の合計タイムにより 13 校を選考します」と、通常の出場枠より3校増枠されることが発表されました!
第100回箱根駅伝に出場するには、2023年10月に行われる予定の第100回箱根駅伝予選会で上位13位以内に入る必要があるのです。
※ この増枠は 100 回記念大会に限るものであり、101 回大会は通常通りの出場枠数になります。
ただ、2023年6月28日の発表でも、2022年6月の発表でも関東学戦連合チームの編成はないというのは変わりなしでした。
第 100 回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
選考方法・参加資格について〇選考方法について
関東学生連合チームは編成しない。
関東学生連合チームの編成はないということで、従来の予選会で上位10位以内に入れなかった11位以下の大学から1校1名、個人成績が優秀な選手16名が選別されて関東学生連合チームを編成して箱根駅伝に出場する機会がなくなりました。
つまり、チームとしては箱根駅伝に出場できなくても個人として箱根駅伝に出場する今まであった機会が100回大会ではないということになるんです。
関東大学学連チームの存在は、箱根駅伝に大学チームでは出場していなくても自分の大学の選手が走っている姿を見ることができて、応戦する側にとっても嬉しいルールだったのですけど、箱根駅伝2024年ではそれが叶いません。
そのことにガッカリしている駅伝ファンも多いですし、私もその一人。
ただ、その代わりに参加資格のルール変更で参加できる大学の門戸が大きく開かれました。
どのような発表があったのでしょうか?
続く見出しでお伝えしていきますね。
第100回箱根駅伝予選会の参加資格とは?
第100回記念となる2024年開催の箱根駅伝の予選会。
大きな参加資格に関するルールの変更が発表されました。
内容は以下になります。
第 100 回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
選考方法・参加資格について○参加資格について
公益社団法人日本学生陸上競技連合男子登録者で、本予選会並びに箱根駅伝本大会
出場回数が通算 4 回未満である者に限る。
注目してほしいのは、この部分。
「公益社団法人日本学生陸上競技連合男子登録者」という部分。
日本学生陸上競技連合というのは、日本の学生陸上競技を統括する公益法人のこと。
下部組織には、
・北海道学生陸上競技連盟
・東北学生陸上競技連盟
・関東学生陸上競技連盟
・北信越学生陸上競技連盟
・東海学生陸上競技連盟
・関西学生陸上競技連盟
・中国四国学生陸上競技連盟
・九州学生陸上競技連盟
があります。
これまでのルールでは、以下のような内容になっていました。
参加資格の条件には「関東学生陸上競技連盟男子登録者」であることとありました。
つまりこれまでのルールでは関東学生陸上競技連盟に登録している男子選手にしか参加資格がなかったということ。
箱根駅伝は全国放送されていても関東のローカル大会であり、その箱根駅伝に他の地区学生陸上連盟に登録している男子選手にも参加資格が与えられたというのは、各大学のチームや選手・関係者・駅伝ファンにとっても大ニュースと言えるべき発表でした。
もちろん、箱根駅伝の予選会への出場する機会が開かれたというだけで、本戦に出場できるかどうかは予選会を通過する必要があります。
関東の予選会に参加する大学だけでも毎年熾烈な戦いが繰り広げられていますから、地方の大学がその予選会に参加して上位13位以内に入るのはさらに厳しいでしょう。
全日本大学駅伝予選会の10000mの記録を比べてみても、関東選考会と他の地区選考会では実力差があるというのは現実としてあります。
それでも、予選会への参加資格すらなかった状況から参加する機会が開かれたというのは、私自身は喜ばしいと感じました。
第100回記念大会の変更についての賛否両論
第100回記念大会の選考方法や参加資格のルール変更に関しては、発表後大きな反響がありました。
賛否両論あり、みんながみんな賛成ではないよう。
というのも、発表の時期が第100回箱根駅伝予選会の開催時期の1年4ヶ月にも満たない2022年6月30日だったということ。
地方の大学では箱根駅伝への参加の道はルールによって閉ざされていましたから、当然箱根駅伝に出場するための準備をこれまでしていません。
急に出場できる機会が開かれることになっても、対応するには1年数ヶ月では準備期間としてはあまりにも短すぎます。
せめてもっと前に、5年くらい前ならもっとできる対策があったかもしれません。
さらに、他の駅伝大会スケジュールに箱根駅伝の予選会を新たに加えるというのも厳しいよう。
それぞれの大会に合わせて選手たちはピークが来るように調整をしています。
地方の大学チームにとっては元々箱根駅伝の出場資格がなかったのもあり、箱根駅伝を目標に練習してきてはいません。
急に機会が開かれても即対応という訳にはいかないのですよね。
また、箱根駅伝を目標に多くの優秀な駅伝選手たちが関東の大学に進学してしまい、地方との実力差があるという現実もあります。
そして賛否両論が多くあるのは、全国へと開かれた箱根駅伝出場の門戸は第100回記念大会のみの限定的なものなのか、それとも第101回大会以降も継続されるものなのかということ。
その点に関して、公式の発表では今現在このような見解が伝えられています。
なお、第 101 回大会以降の開催方法につきましては、今後も検討を重ねて参ります。
毎年行われている箱根駅伝の予選会では、関東だけでも40校を超える大学が参加しています。
箱根駅伝2024予選会では、近畿や東海の大学といった地方から11チームが加わって57校の大学が参加しました。
残念ながら関東の大学と地方の大学のレベルの差は大きく、地方から第100回箱根駅伝に出場する大学はありませんでした。
以下の記事に予選会の結果に関して書いていますので、よかったらご確認ください。
第100回箱根駅伝予選会(2024)の結果について詳しくはこちら
>>>箱根駅伝2024予選会の結果と順位は?出場校一覧も
箱根駅伝2024(第100回)予選会まとめ
2022年6月には、関東学生連合チームの編成がないということと、箱根駅伝の予選会の参加資格が公益社団法人日本学生陸上競技連合男子登録者に、つまり全国に広げられたということが発表されました。
更に2023年6月には、箱根駅伝の予選会の出場枠が13校に増枠するという発表がありました。
そして、待ちに待って2023年10月14日(土)に開催された第100回箱根駅伝の予選会。
関東と地方の大学のレベルの差はまだまだ大きいという結果に。
それでも関東の大学にしか開かれていなかった予選会に参加することは、貴重な経験になったのではないかと。
いい経験だったと終わらせずに、出雲駅伝や全日本駅伝といった全国大会でその経験を活かしていかれますよう願います。
箱根駅伝公式ホームページにある、第100回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 要項もぜひ確認ください。
参考
第100回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 要項箱根駅伝公式HP
箱根駅伝のルールや出場校について詳しく知りたい方はこちら
お正月の楽しみがもっと大きくなります。
上田 英信さん
コメント頂きありがとうございます!
第100回箱根駅伝の詳しい情報はこれからになりますけれど、私も楽しみです!
全国に門戸が開かれたというのは確かにビッグニュースではあるんですが、一番関心があるのは、第100回記念大会だから、出場校を増やさないのか?という事ではないでしょうか。実際、5の倍数である記念大会は出場校を増やしています。最近なら95回、90回、85回。80回大会は、77回大会から予選通過校を6校から10校に増やしたから、記念大会増やしはしていない。いずれにしても、100回大会ですから、どんな記念大会よりも記念なはず。マスメディアでさまざま調べてきましたが、一番関心のある出場校増加に関する話は全くありません。私個人としては、予選会通過校を10校から20校に増やしたら面白いと思うのですが。何せ100回大記念大会ですから、過去の記念大会とはレベルが違います。今のままではあまりにさみしい。
箱根駅伝が好きさん
コメントありがとうございます。
確かに出場校は増えてないですし、反対に関東学生連合チームは出場なしとなっているので余計に寂しいですよね。
勝手な憶測ですけれど、間にコロナの影響がかなりあったのかな?と。
記念大会の為にはその何年も前から各分野でのいろいろな準備が必要で、でもそういうことが思うように進まなかったり
翌年の箱根駅伝の予選会や本戦の開催も行えるかどうか危ぶまれる時期もあったので、いろんな予定が狂ってしまったのではないかと。
100年大記念大会がきっかけとなって、その後多くの大学に門戸が開かれていったらいいなと願っています。