箱根駅伝というと・・・区間新記録や優勝タイムや〇連覇達成!など、なにかと記録に注目が集まりがちですが、あなたは箱根駅伝で使われている襷(タスキ)についてどのくらい気にしたことがあるでしょうか?
当たり前のように行われているタスキリレーですけれど、実は決められた場所でタスキを渡さなければならなかったり、タスキに書いてはいけないものなど、意外と細かいルールが存在しているんです。
また、チームごとにタスキの色もカラフルで様々な色が使われているんですよ。
そこでここでは、箱根駅伝で使われるタスキについて、超初心者にも分かりやすく解説していきたいと思います。
第96回大会(2020年)箱根駅伝に出場したチームカラーについてもご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧になってみてくださいね。
目次
箱根駅伝の襷のルールとは?繰上げスタートの時はタスキの色が違う?
それではまず箱根駅伝のタスキのルールについて、公式の規約文を引用しながら簡単に解説していきますね。
【箱根駅伝のタスキのルール】
箱根駅伝で使われる襷(タスキ)に関しては、以下のルールが定められています。
・事前に関東学生陸上競技連盟にタスキを2本提出する。
・関東学生陸上競技連盟に提出した2本のタスキのうち、1本はスタートからフィニッシュまで使用し、残りの1本は大会本部で保管する。
・タスキは肩から斜め脇下にかけて走行する。
タスキを2本提出するのは、もしもの時のための保険ということなのでしょうね。
タスキの掛け方まで決められていたのは意外だったかもしれませんけれど、確かにすべての選手が肩から斜め脇下にかけて走るのは当たり前のように思っていました。
【タスキに記載できるもの・できないもの】
他にも以下のように細かく指定されていることや、禁止されていることがあります。
・タスキに記載(表示)できるのもは、大学名、校章、大学を示すマークのみ(それ以外の記載は一切認めない)。
・特に企業名のロゴや商標などをタスキに記載することは厳禁。
【繰り上げスタートおよび途中棄権の際に使われるタスキの色と特例】
箱根駅伝を観戦していて、初めにしていたタスキが変更になる時があるんですね。
それは、繰り上げスタートになった場合と途中棄権した場合です。
繰り上げスタートになった場合には、以下のような決まりがあるんですよ。
●繰り上げスタートの際に使われるタスキの色
・繰り上げスタートとなったチームは、大会本部が用意する黄色と白色のストライプのたすきを使用する。
●繰り上げスタートの際のタスキに関する特例
・繰り上げスタートとなった場合においても、5区と10区に限り、チーム独自のタスキを使用することができる。
☆ポイント☆
繰り上げスタートとなってしまうと、それまで繋いできたチームのタスキが途切れてしまうことになります。
どのチームも、1区から10区まで、自分たちのチームのタスキを繋ぎたいと思うものですよね。
しかしながら、繰り上げスタートになってしまうと、大会本部が用意したタスキを使わなければならないので、チームのタスキを最後まで繋ぐことが叶わなくなってしまいます。
そんな選手の想いに配慮したのが、繰り上げスタートの際のタスキに関する特例なんですよ。
往路のフィニッシュ地点である5区と、復路のフィニッシュ地点である10区に限っては、チームのタスキをかけてゴールをさせてあげようという配慮と、戦い抜いてゴールをしたことに対する敬意の表れが、この特例に込められています。
途中棄権の場合のタスキの決まりは、以下のになります。
●途中棄権の際に使われるタスキの色
・途中棄権となったチームは、繰り上げスタートと同様に、次区間からは大会本部が用意する黄色と白色のストライプのたすきを使用する。
●繰り上げスタートの際のタスキに関する特例
・途中棄権となった場合は、10区に限り、チーム独自のタスキを使用することができる。
【関東学生連合チームのタスキの色は?】
関東学生連合チームのタスキの色と文字も決まっているのですよ。
・関東学生連合チームのタスキの色は、白地に赤い文字で「KGRR」(関東学生陸上競技連盟のゴロマーク)が書かれています。
参考 関東学生連合チームWikipedia
箱根駅伝のタスキの受け渡しについてのルールとは?
それでは次に、箱根駅伝のタスキリレーをする際のルールと、過去に起こったタスキのトラブルについて、見ていきたいと思います。
【タスキの受け渡しをする場所について】
タスキの受け渡しをする場所についても決まりがあります。
・中継所におけるタスキの受け渡しは、車道以外の区域または車道左端で行う。
・前走者が完全に所定の中継線に到達してから、中継線より進行方向20mのところに引かれた白線の間で、タスキの受け渡しを行う。
参考 第97回東京箱根間往復大学駅伝競走 競技実施要項関東学生陸上競技連盟HP
【過去にあったタスキの受け渡しミスとは?】
通常ですと、タスキを受け取る選手が中継所に待機をしていて、前走者からのタスキリレーがスムーズに行われるのですが、このタスキリレーでミスが相次いだ大会がありました。
タスキの受け渡しミスが発生したのは、第95回大会(2019年)、駒澤大学と国士舘大学です。
どんなミスがあったのかというと、中継所に到着したにも関わらず、タスキを渡す選手がいなくて、タイムロスをしてしまったというもの。
1秒でも速くタスキを渡そうと走ってきたのに、タスキを渡す選手がいないというのは、ちょっとびっくりしますよね。
当然、前を走る選手の状況を把握しながら待機をしているはずなのですが、当時2区を任されていた駒澤大学の山下一貴選手は、「1区を走る選手の到着まであと1kmと聞いていたので、まだ3分くらいはかかるかと思っていたのですが、思いのほか速く来てしまった。」というコメントを残しています。
とはいえ、中継所にも運営スタッフが配備されていますから、前走者が見えた段階で次の選手が準備をしていなかったら、声を出して呼び出すなどしても良いのではないかな?と思ってしまいますよね。
今後はこのようなミスが起こらないと良いですね。
参考 「選手がいない」タスキリレーでミス相次ぐ箱根駅伝 わずか9秒差の7位だったのが...<br /> JCASTニュース
箱根駅伝2021年出場大学のタスキの色の呼び方も紹介!
それでは最後に、第97回大会(2021年)箱根駅伝に出場した20チームについて、タスキのカラーやその呼び方をご紹介していきたいと思います。
中には、タスキの色ではなく、ウエアのカラーで呼ばれているチームもあるようですよ。
ここでは、タスキのカラーと呼び方の色が同じ場合は1色のみを、呼び方の確認ができていないチームについては、タスキのカラーのみを記載していますので、予めご了承いただいたうえで、参考になさってみてくださいね。
(チーム名:カラー/呼び方)
・青山学院大学:フレッシュグリーン
・東海大学:東海ブルー
・國學院大學:黒×赤紫
・帝京大学:ファイヤーレッド×灰色/ファイヤーレッド
・東京国際大学:紺青
・明治大学:紫紺色
・早稲田大学:臙脂(エンジ)
・駒澤大学:藤色
・創価大学:青と赤のストライプ
・東洋大学:鉄紺
・順天堂大学:白×赤
・中央大学:赤
・城西大学:黄
・中央学院大学:紫(文字は黄色)
・神奈川大学:プラウドブルー(紫紺色)
・国士舘大学:赤×青
・日本体育大学:白
・山梨学院大学:プルシャンブルー
・法政大学:法政ブルー×オレンジ/法政ブルー
・拓殖大学:オレンジ
・専修大学:臙脂(えんじ)×深緑のツートーン
このように、タスキやウエアのカラーは、大学のイメージカラーが反映されているものが多く、走っている選手を見ただけで、どのチームなのかというが一目で分かるようになっているんですね。
同じ青色でも、濃い青だったり、紫に近い青だったり、微妙に違うことが分かります。
カラーを確認してみたい方は、箱根駅伝のサイトも合わせてご覧になってみてくださいね。
参考 出場校&選手一覧<br /> 日テレ・第97回箱根駅伝HP
箱根駅伝の襷のルールまとめ
箱根駅伝で使われるタスキについて、チームカラーやタスキリレーのルールなど、ちょっとマニアックな視点からご紹介していきました。
箱根駅伝ではよく「1本のタスキを繋ぐ」という言葉だったり、「タスキが途切れた」という言葉が使われますが、こうしてタスキのルールを見ていくと、その言葉の意味も分かってくるのではないでしょうか。
選手ひとりひとりの想い、チームの想いが、その1本のタスキに込められているからこそ、見ている私たちも、その走っている姿に感動をするのかもしれませんね。