毎年1月2日から3日に渡って行われる箱根駅伝。
その箱根駅伝で、出場校20校とは別に出場校以外の競技者による関東学生連合チームが参加しているのをご存知でしょうか?
実はこの関東学生連合チーム、順位がつかないオープン参加という扱いになっているんです。
オープン参加は他の大学のチームと何が違うの?順位がつかないのになぜ参加するの?という疑問を持つ方も少なくないはず。
そこで、ここでは関東学生連合チームが誕生した歴史や、関東学生連合チームのメンバーの個人成績の記録はどうなるのか?といった疑問に迫ってみたいと思います。
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関東学生連合がオープン参加で順位がつかないのはなぜ?
それではまず、関東学生連合チームが誕生したきっかけと、その歴史から簡単に見ていきたいと思います。
関東学生連合チームは、関東学生陸上競技連盟が「多くの大学・選手に箱根駅伝への出場機会を与える」という趣旨のもとに作られました。
第79回大会(2003年)から「関東学連選抜チーム」という名称で、チームの順位がつかないオープン参加として箱根駅伝に出場。
当初は、個人成績の記録は残る、1校2名まで走ることができる、といったルールもあったようです。
その後も度々協議が行われて、順位のつかないオープン参加ではなく、正式参加になったり、1校1名までの参加となったり、ルール改正を繰り返してきました。
そして、第91回(2015年)から「関東学生連合チーム」という名称に変更、箱根駅伝の予選会で漏れた大学から1校1名、16名がエントリーできるということになりました
関東学生連合チームとしての歴史は、まだまだ浅かったんですね。
それではなぜ、関東学生連合チームは順位がつかないオープン参加なのでしょうか?
関東学連選抜チームとして箱根駅伝に正式に参加をしていたときは、箱根駅伝の予選会から本戦に出場できるチームは9校でした。
ですが、関東学生連合チームを順位がつかないオープン参加としたことにより、予選会からの出場枠が10校に拡大されたのです。
予選会に出場するチームにとってみたら、本戦の出場枠が増えるというのは嬉しいことですよね。
「多くの大学・選手に箱根駅伝への出場機会を与える」という趣旨からも、関東学生連合チームを順位のつかないオープン参加とすることで、1校でも多く箱根駅伝へ、という考えもあったのかもしれません。
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関東学生連合のオープン参加で個人の記録はどうなるの?
さきほどの説明で、関東学生連合チームは順位がつかないオープン参加、ということはお分かりいただけたかと思います。
それでは、関東学生連合チームのメンバーとなった選手の、個人成績についてはどうなのでしょうか?
チームの成績は順位がつかないオープン参加のため、残念ながら個人成績も参考記録にとどまるということになってしまいます。
せっかく良い成績を出せても、あくまで参考記録ということになってしまうんですね。
そんな、” 記録なし ”という、奇跡の区間賞が第93回大会(2017年)に起こったのを覚えているでしょうか。
関東学生連合チームの照井明人選手(当時:東京国際大学4年)が、10区を走った選手の中で最も速い記録を出したのです。
通常であれば区間賞を獲得できるのですが、参考記録のため、「幻の区間賞」として注目を浴びました。
と当時に、こんなことがあっても良いのか?ということから、関東学生連合チームの存在について、廃止の声も大きくなったようです。
繰り上がりで区間賞を獲得した作田直也選手(当時:順天堂大学4年)も、複雑な胸の内を明かしたのだとか。
今後も関東学生連合チームのオープン参加のルール、継続・廃止について、協議は続く模様です。
出典:日刊スポーツ 10区関東学連の照井”記録なし”の区間賞は「奇跡」
関東学生連合は各大学のエース級が揃うのに弱いのはなぜ?
最後に、関東学生連合チームの成績について見ていきたいと思います。
関東学生連合チームは、箱根駅伝の予選会で通過とならなかった11位以下の大学から、成績上位者によって構成されます。
したがって、箱根駅伝には出場できなかった大学の、エース級の選手が集まっているチームであるともいえるのです。
ですが、総合4位となった第84回大会(2008年)を除いて、関東学生連合チーム(関東学連選抜チーム)の成績は低迷が続いています。
「寄せ集め」とも言われる関東学生連合チームですが、エース級の選手が集まっているにもかかわらず、箱根駅伝では上位の成績が残せていないのです。
それはなぜだと思いますか?
関東学生連合チームのメンバーが、各大学1名ずつであることもさることながら、監督やコーチまでも所属がバラバラだったりするのです。
関東学生連合チームの監督は予選会で11位だった大学の監督が務めることになっていますので、たまたまその大学の選手だったということもあるかもしれませんが、その多くは初顔合わせのチームということになります。
それぞれの大学で練習を積んできた選手たちとはいえ、箱根駅伝の予選会が行われるのが10月で、それから関東学生連合チームのメンバー16名が決定し、11月に行われる10000メートル記録会の成績をもってさらに箱根駅伝に出場する10名が選出されます。
そして、翌年1月に箱根駅伝の本戦があるというスケジュール。
1区間を一人で走るという駅伝競技ですが、タスキを繋ぐという意味では10名で、またチーム全体で戦わなければなりません。
この短い時間でチームワークを築くというのも難しいでしょうし、これまで説明してきた通り、チームの成績はオープン参加で順位がなく、個人成績も参考記録ということになれば、選手たちのモチベーションが上がらないのも無理はないですよね。
やはり、そういった意味でも、今の関東学生連合チームの在り方について、改善の余地はありそうです。
また、チームの環境も変わるわけですし、本来の力が出し切れない選手もいるかもしれません。
ですが、今ではオープン参加であっても箱根駅伝に出られる喜びを感じ、出るからには精一杯やりたいという選手もいます。
どうしても過去の成績から、関東学生連合チームは弱いという目で見てしまいがちですが、選手たちも「今年こそは!」と思っているはず。
第94回大会(2018年)では、一つでも上の記録を残してほしいと思います。
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関東学生連合チームまとめ
箱根駅伝に参加する関東学生連合チームの構成、個人記録などの扱いについて見てきました。
こうして見てみると、箱根駅伝に出場できるという意味では優遇されている気がしますが、結果的にはチームの順位も個人記録も公式には残らないということを考えると、ちょっと寂しい気もしますよね。
選手が肩からかけるタスキは、それぞれの大学のカラーですが、関東学生連合チームのタスキのカラーは白です。
ぜひ、白いタスキの選手たちにも注目してみてくださいね。
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