お正月の風物詩とも言われる箱根駅伝。
興味を持って調べてみると、意外にも知らない事が多いのですよね。
箱根駅伝を見ていて、危うく棄権しそうになった選手や、途中棄権する選手を見たことはありませんか?
途中棄権してしまったら、その大学はどうなってしまうのでしょうか。
どんな時に棄権をしてしまうのか、実際に起きた事例を挙げながら、棄権についてのルールや記録の扱いについてまとめてみました。
箱根駅伝での棄権に関するルールとは?
箱根駅伝の棄権に関するルールには、どのようなものがあるのでしょうか?
選手が競技中に怪我や病気などによって走行困難になり、歩いてしまったり立ち止まったりした場合に、競技運営委員や走路管理員、監督やコーチなどの第三者の合意のもと、競技を中止させることができる。
この場合は、たとえ選手が競技続行の意思があったとしても、第三者が続行不可能と判断した段階で棄権と見なされるのですよ。
棄権の通告は、大会の競技運営委員が選手に対して赤旗を挙げて走者に通告することによって示します。
過去に棄権となった選手の中には、疲労骨折による途中棄権や、脱水症状で低血糖状態に陥ってしまった選手などがいました。
意識が薄れている中、フラフラと蛇行しながらの走行は、倒れて道路に頭を打ってしまう危険も伴うため、やむを得ず監督が棄権の判断を下すこともあるようです。
途中棄権してしまった選手も辛いと思いますが、棄権と判断する監督やチームスタッフもまた、選手以上に辛いのかもしれません。
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箱根駅伝で棄権に関する記録の扱いとその後についても
棄権に関するルールや記録の扱いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
棄権した区間の前までの記録は公式に残り、その後の区間記録はオープン参加となるため公式記録とはならないということです。
レースを途中棄権した場合、次区間からは最終走者と同時に再スタートすることはできますが、襷を繋ぐことはできず、順位や記録も残らないオープン参加という形になります。
参考 第100回東京箱根間往復大学駅伝競走競技実施要項関東学生陸上競技連盟公式サイト
2013年の89回大会では、5区で城西大学と中央大学が棄権したという事がありましたが、この場合は5区で棄権したため、4区までの記録は残り、6区以降は順位も記録も残らないオープン参加となっています。
過去には補欠の選手が代わりに走る代走という措置を取られることもあったようですが、今は厳しいルールになっているのですね。
繰り上げスタートによる時間差を挽回して総合10位以内に入るのは難しく、結果的にシード権を失うことになります。
総合10位以内に入れば翌年の箱根駅伝に出場できるシード権を与えられますが、11位以下の場合は毎年10月に行われる予選会で10位以内に入り、箱根駅伝の切符を手にしなければなりません。
このシード権というのも、出場する大学にとっては重要な要素となっているのですよ。
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箱根駅伝で途中棄権した大学がその後どうなったのかについても
シード権を失った大学は翌年、どのような影響があるのでしょうか?
80年代には4連覇を達成、優勝回数11回を誇る順天堂大学は84回大会で棄権となり、翌年は19位に沈みました。
以降、出場すらできない年を経験、近年もシード圏内外を行き来しています。
また、出場回数や連続出場回数などで多くの1位記録を持っている中央大学は、89回大会で棄権したことを境にシード圏外に甘んじることが多くなりました。
2017年に行われた予選会でも11位という結果に終わり、87回連続出場という記録が途絶えてしまったこともニュースに取り上げられ話題になりました。
それまでシード権を当たり前のように取っていた強豪チームでも、一度棄権をしてしまうとチームを立て直すに時間がかかることが分かります。
その年の焦点を予選会に合わせるのか、箱根駅伝本番に合わせるのかで、チーム作りやトレーニングのスケジュールにも影響してくるのかもしれませんね。
一方、20年ほど前の話になりますが、神奈川大学は途中棄権した翌年に初優勝を成し遂げました。
棄権をしてしまった区間以降も翌年に繋がる走りを見せ、予選会でも大会記録を大幅に更新して予選を通過、見事本戦では優勝を飾りました。
創部65年目にしての初優勝は、地元でもたくさんの祝福を受けたということです。
このように、棄権した翌年に優勝するチームもありますので、棄権をしても目標を見失わずに頑張って欲しいですね。
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箱根駅伝の途中棄権に関するまとめ
チームの為にと怪我を押して出場した結果、症状が悪化して棄権してしまうと言うケースも多いようです。
箱根駅伝に出場する各校10名の選手には、チームや大学のブランドといった様々なプレッシャーがあるのかもしれませんね。
選手の皆さんには、是非とも体調管理に気を付けて、万全な状態でレースに臨んで欲しいと思います。
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