箱根駅伝の給水ルールはいつから?回数や赤と青2種類ある中身も

駅伝というと長距離を走るということで、走っている途中で選手が給水ポイントで紙コップやペットボトルなどを手に取り、給水しているシーンを観たことがあると思います。

この給水に関して決められたルールがあるというのはご存知でしょうか?

まだ記憶に新しい方もいらっしゃるかもしれませんが、青山学院大学が3連覇を達成した2017年の箱根駅伝にて、途中棄権する選手はいなかったものの、7区を走った青山学院大学の田村和希選手が脱水症状に見舞われ、ネット上では心配する声も多くありました。

給水を行えば脱水症状は免れたのでは?という意見もありますが、箱根駅伝にも給水のルールが細かく決められているのです。

マラソンを思い浮かべると、給水ポイントに設置してあるテーブルに、紙コップや水を含んだスポンジ、ペットボトルが置いてあって、選手がそれを走りながら取っていくというシーンが思い当たるかもしれませんね。

しかし、箱根駅伝ではテーブルを設置しての給水は認められておらず、給水が禁止されている区間もあるのですよ。

それはなぜだか知っていますか?

箱根駅伝の給水のルール、給水の回数や中身、そして給水の禁止区間などについて詳しく見ていきたいと思います。

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箱根駅伝の給水ルールはいつから?どういう決まりなの?

まずは箱根駅伝の給水のルールから見ていきましょう。

2015年の第91回大会から大きくルールが変わりました。

現在の給水のルールを簡単に説明すると、以下になります。

 

・1区と6区は給水はなし

 

・その他の区間は2か所

 

・給水方法は給水員による定点給水のみ許可

 

なぜ1区と6区に給水はないのかというと、まず1区はスタート地点で一斉に集団となって走るため、更に給水員も加わると接触や転倒の危険が伴うという理由があります。

そしてもう一つの6区も復路のスタート地点であることと、早朝のため気温が低いこと6区は山下りと言われるように山を下るルートでの並走は危険が伴うという理由から給水はなしというルールになっているんですよ。

さらにもう一つ重要なことがあります。

それは第90回大会までは認められていた、「監督が任意で、2回まで選手に直接給水を行うことを禁止された」ということです。

チームの監督は、選手のすぐ後ろを走る運営管理車と呼ばれる車に乗っていて、マイクで選手に指示を出しているのですが、その車から降りて選手に給水をしてはいけない、ということなんですね。

なぜそれまで許されていたものが禁止になったのかというと、場所によっては道路交通法に反するという理由ら、神奈川県警からの通達があったのだそう。

道路交通法のどの部分に該当するのか調べてみたところ、

  • 駐停車禁止標識や表示のある場所
  • 交差点とその側端から5m以内の部分
  • 道路の曲がり角から5m以内の部分
  • 横断歩道、自転車横断帯とその側端から前後に5m以内の部分

というのが、道路交通法第44条のうち、箱根駅伝に該当する項目だと思われます。

いつ、どのタイミングで選手が給水を必要とするか分かりませんし、もし横断歩道付近で車を止めて給水を行ってしまった場合は道路交通法違反ということになる、ということなのでしょう。

これに関しては、各大学の監督も困惑していたようです。

2017年の箱根駅伝7区を走った青山学院大学の田村和希選手についても、運営管理車に乗っていた原晋監督は「頑張れ」と声をかけることしかできず、ネット上でも「倒れてからでは遅いのでは」という意見も・・・。

また、「大会期間中は道路を規制しているのだから、その間は道路交通法違反という制限をなくしても良いのではないか。」という意見もありました。

法律に基づいた理由とはいえ、警察も警備に当たっている箱根駅伝なのですから、例外を設けるというのも一つの方法かもしれません。

スタート地点や気温が低いという理由などから給水がない1区と6区に関しても、20km近くも水分を取らずに走り続けるということの身体の負担を考えると、疑問もありますよね。

たびたびルール変更が行われている給水問題、今後も改善策が取られる余地はあるように思います。

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箱根駅伝の給水できる回数や中身が2種類の理由も

それでは給水について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

2014年の第90回大会までは5区での給水ポイントは3か所あったのですが、2015年の第91回大会から5区のコースが変更になったことから給水ポイントも2か所に変更になりました。

給水ポイントは次の通りです。

 

・各区間10km15km地点付近9区のみ10km14.4km地点)

 

5区7.1km地点と15.8km地点

 

当然、1区及び6区の給水、運営管理車に乗っている監督・コーチによる任意の給水は禁止されています。

そして、給水の中身は「主催者が用意する水・スポーツドリンクを使用すること」が決められています。

さらに、給水の水やスポーツドリンクは、日本体育大学の給水員が管理することになっていて、各大学の給水員は日本体育大学の給水員から水やスポーツドリンクを受け取るという仕組みになっているんですよ。

マラソン選手の中にはスペシャルドリンクを用意している選手も見かけますが、そういったものは禁止されているようです。

また、給水員から選手への手渡しにかかる並走距離は「50m以内」ということで、結構細かいルールがあるのですよ。

スポーツドリンクについては何が使われているかは分からなかったのですが、主催者が用意する水ということで、過去には箱根駅伝に協賛しているサッポロビールの「ヴィッテル」「ヴァットヴィレール」「富士山麓のおいしい天然水」などが使われていたようです。

参考 第 95回東京箱根間往復大学駅伝競走<br /> 給水要領 関東学生陸上競技連盟HP

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箱根駅伝で給水の禁止区間は脱水症状が明らかでもダメなの?

2017年にテレビ解説を務めた早稲田大学の元監督、渡辺康幸さんによると「給水禁止区間で給水を行った場合は失格となる」ということでした。

たとえ脱水症状が見られたとしても、それがルールということもありますが、給水ポイントで確実に給水しておくことや、選手の体調管理について問われても仕方のないことなのかもしれません。

ただ、箱根駅伝の場合はたすきを繋ぐという使命もありますから、選手は走るのを止めたくはないでしょうし、監督も選手を走らせてあげたいという思いが生じるので、結果、選手が無理してしまうのでしょう。

脱水症状は場合によっては命の危険もあると言われています。

選手は無理をして走らない、監督は選手に無理をさせない、「止める勇気」も必要なのかもしれませんね。

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